頻度 割合みる
治療のポイント
・新生児発作の多くは脳出血や感染症などの原疾患による急性誘発性のものであり,発作の診断・治療とともに原疾患に対する治療が必要である.
・いわゆる間代性けいれん様の動きのみでなく,無呼吸発作が新生児発作のことがあり,確定には脳波検査が必要である.
・脳波モニタリングを行いながら,抗けいれん薬の投与を行う.
◆病態と診断
A病態
・新生児発作の多くは低酸素性虚血性脳症,低血糖,低Ca血症,感染症,脳出血などに続発して起こる急性誘発性発作である.つまり原疾患に伴う一臨床徴候である.
・2020年に国際抗てんかん連盟から新生児発作の新分類が提唱された.
・誘因が見当たらない場合はてんかん症候群を検討する必要がある.近年の遺伝子検査の普及に伴い診断されることが増えている.
B診断
・まずは疑うことが肝要である.口をもごもご動かす,律動的なピクつきや無呼吸発作など,臨床徴候が多彩で,脳波で確認できる発作と臨床症状が合わないことが多いのが特徴である.また,一見症状はないが脳波でのみ発作があるもの(electrographic only seizure)が存在し,診断には脳波検査や脳波モニタリングが必須である.
・病的でないが間違えやすいものにjitterinessがある.病的でない反復性律動性筋収縮のことで,手足を動かすたびプルプルする,あごがガクガクする,という小刻みな速い反復の運動として新生児によくみられる.手で上から押さえると止まる,眼の動きに異常がないなどで見分けがつくことが多いため,鑑別できるとよい.
C検査
・新生児発作は脳波検査で診断する.現在,脳波モニタリング機器としてamplitude-integrated electroencephalography(aEEG)が普及しており,活用されたい.
・原疾患の初期検索として,血算,一般生化学(CRP,Ca,Mg,P,Glu