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ニュートピックス
・早産児ビリルビン脳症の発症を予防するための治療基準(森岡の基準)が提唱されている.
治療のポイント
・高間接(非抱合型)ビリルビン血症ではビリルビン脳症を予防する.治療と同時に原因検索を行う.
・交換輸血の回避のための早期発見・早期治療に努め,日常の黄疸管理を行う.
◆病態と診断
A早発黄疸
・生後24時間以内の可視的黄疸.
・経皮黄疸計による経時的スクリーニングを実施する.
・血液型不適合溶血性疾患が多くビリルビン脳症発症が高リスクのため早急な治療が必要.
B遷延性黄疸
・生後2週間以上続く可視的黄疸.
・母乳性黄疸の頻度が高く,胆道閉鎖症を含む高直接(抱合型)ビリルビン血症などの鑑別が必要.
C介入基準
・治療基準を超えるまたは24時間の血清ビリルビン上昇速度5mg/dL以上.
◆治療方針
村田の基準や中村の基準,森岡の基準の血清ビリルビン,アンバウンドビリルビン基準値を参考に治療法を選択する.
A光療法
光化学反応で体外に排泄されやすいビリルビン光異性体を生成し排泄させる方法である.青色~緑色の波長領域のLEDまたは蛍光管を光源とした光療法器を使用する.放射照度と照射面積が治療効果に影響する.
!注意 母乳栄養は継続しながら一般的な黄疸管理を行う.ビリルビン脳症のおそれがある場合,母乳栄養の一時的な中断を考慮する.治療中止後,ビリルビン再上昇の有無を確認する.
B交換輸血
1.ABO血液型不適合溶血性疾患
Px処方例
照射合成血液-LR 正期産児:160~180mL/kg,早産児:180~200mL/kg 動脈より瀉血,末梢静脈より同量の輸血を同時におよそ2時間かける
!注意 合成血が準備できるまでは,強化光療法を行う.
C血液型不適合による溶血性黄疸(交換輸血の回避目的)
免疫グロブリン製剤0.5~1.0g/kgを1回使用する(保険適用外).