頻度 あまりみない
治療のポイント
・乳幼児結核は成人型結核と違い,典型的な臨床症状,画像所見や検査所見を呈することが少なく,診断・治療に注意を要する.
・乳児結核は,成人型結核と比較して感染から発病の頻度が高く,重症化のリスクが高いため,早期の感染・発病診断が重要である.
◆病態と診断
A病態
・結核はヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を原因微生物とする感染症であり,結核菌飛沫核が患児の肺末梢に到達し(空気感染),感染が成立する(結核初感染).
・肺の初感染巣は石灰沈着し自然治癒する傾向が強いが,引き続いて病巣が進展・拡大した場合,発病となる.
・感染しても発病していない状態を潜在性結核感染症(LTBI:latent tuberculosis infection)とよぶ.
・乳児結核は,リンパ行性・血行性に全身に進展・拡大しやすく,結核性髄膜炎や粟粒結核など重症化する危険性がある.
・母体が結核を発病している場合,適切な治療がなされなければ,胎盤を通して胎児に結核が感染することがある(先天性結核).典型例では生後2~3週で症状を呈する.
B診断
・乳幼児結核は感染・発病診断が難しく,また,小児では菌検査陰性例が少なくなく,臨床症状,感染源への曝露状況,ツベルクリン反応(ツ反),インターフェロンγ遊離試験(IGRA:interferon-gamma release assay),菌検査,画像診断などを総合的に評価して診断する.
・乳幼児結核では持続する咳嗽などの典型的な臨床症状を呈することは少なく,結核を積極的に鑑別診断に入れる必要がある.
・小児では胸部単純X線において所見を有しない例もあり,肺結核が疑われる場合,胸部CTを考慮する.また初期の微小な肺門部のリンパ節腫脹は,胸部造影CTで発見されることがある.
・小児結核においてもBCGの影響を受けないIGRAが行われ
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