頻度 あまりみない
治療のポイント
・乳幼児結核は成人型結核と違い,典型的な臨床症状,画像所見や検査所見を呈することが少なく,診断・治療に注意を要する.
・乳児結核は,成人型結核と比較して感染から発病の頻度が高く,重症化のリスクが高いため,早期の感染・発病診断が重要である.
◆病態と診断
A病態
・結核はヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を原因微生物とする感染症であり,結核菌飛沫核が患児の肺末梢に到達し(空気感染),感染が成立する(結核初感染).
・肺の初感染巣は石灰沈着し自然治癒する傾向が強いが,引き続いて病巣が進展・拡大した場合,発病となる.
・感染しても発病していない状態を潜在性結核感染症(LTBI:latent tuberculosis infection)とよぶ.
・乳児結核は,リンパ行性・血行性に全身に進展・拡大しやすく,結核性髄膜炎や粟粒結核など重症化する危険