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GL小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017
治療のポイント
・ウイルス感染が主体であり,対症療法を中心に治療を行う.
・喀痰排出を伴うような湿性咳嗽が続く場合には一般細菌の関与を,乾性咳嗽が続く場合には肺炎マイコプラズマの関与を疑う.
・抗菌薬投与を行う場合には,原因微生物診断を積極的に行う.
◆病態と診断
A病態
・咽頭炎や鼻炎などの上気道炎を契機に,炎症により気管下部や気管支に存在する線毛上皮が障害されることにより症状を呈する.
・気管と気管支に主病変がある場合には気管気管支炎,気管支に主病変がある場合には気管支炎となるが,鑑別は困難である.
・多くの原因微生物が関与するが,ウイルス感染が主体である.頻度の高い原因ウイルスとして,RSウイルス,アデノウイルス,インフルエンザウイルス,パラインフルエンザウイルスがある.
・ウイルス以外の原因微生物としては,肺炎マイコプラズマ,インフルエンザ菌,肺炎球菌の頻度が高い.百日咳菌や肺炎クラミジアが関与することもある.
B診断
・発熱,咳嗽,喀痰などの症状がある患者で,咳嗽が主症状となり,7~10日間継続する場合に疑う.
・胸部聴診では副雑音(ラ音)が聴取できるものの,胸部X線像では明確な異常陰影が認められない,あるいは気管支紋理の増強のみ認める.
・家族や学校,保育所など所属している集団,地域での感染症流行状況の把握や,予防接種歴の聴取は,原因微生物診断の参考となる.
・原因微生物の診断を確定する方法として,喀痰細菌培養検査,各種ウイルスの迅速抗原検査,肺炎マイコプラズマの迅速抗原検査,LAMP法などの遺伝子検査が有用である.
・鑑別疾患として,気管支喘息発作,鼻副鼻腔炎,急性細気管支炎などが挙げられる.
◆治療方針
A対症療法
ウイルス感染症が主体であり,対症療法が中心となる.安静と,十分な水分および栄養の補給を行う.去痰薬や気管支拡張薬は病状の
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