治療のポイント
・乳幼児の下痢の原因は多岐にわたる.下痢の原因を病態別に把握し,それに則った治療を行う.
・乳幼児では,下痢が遷延することにより成長発達の遅れにつながる.したがって,栄養状態や発育障害の是正をすみやかに行うことが重要である.
・消化管を使いながら治療することが重要であるが,必要栄養量の確保のために中心静脈栄養を併用する.
◆病態と診断
A定義
・乳児難治性下痢症とは,古典的には3か月未満の乳児に発症する原因不明の2週間以上持続する下痢で,かつ便培養で病原菌が検出されないものと定義されている.
・最近では2週間以上持続する下痢を,広義の難治性下痢とよぶことがある.
B病態
・広義の難治性下痢の原因として頻度の高い疾患としては,腸炎後症候群,2次性乳糖不耐,消化管アレルギーが挙げられる.そのほかにも,免疫異常,消化吸収障害,内分泌疾患,形態異常など原因は多岐にわたる.
C診断
・病原体の有無を確認す