頻度 割合みる(小児1万対約1.1人)
治療のポイント
・治療法は病型(全身型,関節型,脊椎関節炎型)により異なる.
・治療抵抗例や全身型におけるマクロファージ活性化症候群(MAS)合併例では,専門医に相談のうえ治療を行う.
◆病態と診断
A病態
・全身型,少関節炎(発症時に罹患関節が4関節以下),リウマトイド因子陽性/陰性多関節炎(発症時に罹患関節が5関節以上),乾癬性関節炎,付着部炎関連関節炎,分類不能型の7つの病型に分類される.少関節炎,多関節炎は関節型とよばれ,乾癬性関節炎,付着部炎関連関節炎は成人での脊椎関節炎に相当する.
・全身型は,自然免疫の異常を背景とする自己炎症性疾患と考えられ,IL-1,IL-6,IL-18などの炎症性サイトカインの過剰産生が深く関与している.
・関節型は,獲得免疫の異常を背景とする自己免疫性疾患と考えられている.
・脊椎関節炎型は,遺伝因子としてHLAB27との強い関連があり,腸内細菌や付着部への外的ストレスにより自然・獲得免疫が活性化され,IL-23,IL-17,TNFが病態に関与している.
B診断
・16歳未満で発症し,身体所見および単純X線,MRIやエコー検査により証明された関節炎が6週間以上持続し,その他の疾患が除外された場合に診断される.
・関節炎の症状として,関節の腫脹,疼痛(圧痛),熱感,発赤,可動域制限,朝のこわばりを認める.全身型では関節炎に加え,弛張熱,サーモンピンク疹,リンパ節腫脹,漿膜炎(心膜炎,胸膜炎)を認める.関節炎は病初期には明らかでないことも多い.少関節炎では,下肢の大関節が罹患しやすく,多関節炎では左右対称に大関節・小関節全体に関節炎を認める.脊椎関節炎型では関節炎のほか付着部炎を認め,仙腸関節炎や脊椎炎を認める.関節型,脊椎関節炎型ではぶどう膜炎の合併にも注意が必要である.
◆治療方針
A全身型
1.初期治療
寛解導入治療として,
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