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GL脳性麻痺リハビリテーションガイドライン 第2版(2014)
治療のポイント
・脳性麻痺は,「胎児・新生児期の脳障害に起因する運動麻痺・姿勢異常」をいう.
・現代医学では治癒できないが,その重症度を軽減させる治療法が提唱されている.
・治療は年齢に応じて,リハビリテーション,薬物療法,外科療法を組み合わせて行う.
◆病態と診断
A病態
・「受胎から新生児期までの非進行性脳病変による永続的だが変化しうる運動および姿勢異常」である.
・原因として脳室周囲白質軟化症,低酸素性虚血性脳症,脳出血,脳梗塞,脳奇形,代謝異常,染色体異常がある.
・脳性麻痺自体は回復しないが,症状を軽減させる治療法が提案されている.
B診断
・正常の乳児発達でないとき,身体症状,神経画像検査,発達歴より脳性麻痺を診断する.
・障害内容により痙直型,アテトーゼ型,低緊張型,失調型がある.
◆治療方針
脳性麻痺治療の目的は,①リハビリテーション,薬物療法,観血療法を組み合わせることで異常運動・肢位を抑制すること,②本人および家族の負担を軽減して健やかな社会生活につなげること,である.脳性麻痺の程度は成長とともに変化するため,残存機能を生かして2次障害を抑制することがポイントになる.
A脳性麻痺改善のための早期治療
1.リハビリテーション
理学療法,作業療法,言語療法がある.理学療法では,ハンドリングやポジショニングとよばれる姿勢位置や保持が有効であり,在宅でもできる.嚥下障害には作業療法や言語療法で,嚥下訓練およびポジショニング指導と食形態の検討を行う.
2.薬物療法
緊張緩和に対し薬剤を用いるが,眠気や分泌増加に注意して少量より漸増する.
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
1)ジアゼパム(セルシン薬)散 1回0.1mg/kg(成分量として) 1日2回 朝・夕食後
●治療の変更の指標 睡眠過多,分泌増加,不機嫌があれば減