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◆病態と診断
A病態
・乳児期から幼児期早期に明らかとなる運動発達の遅れの原因は,脳性麻痺,知的障害,染色体異常,先天異常症候群,代謝異常症,運動ニューロン疾患,末梢神経疾患,神経筋接合部疾患,筋疾患などさまざまであり,正常発達のバリエーションとも鑑別を要する.
B診断
・診察のポイントは,①遅れの程度と時間経過(進行性の有無),②知的障害の有無(脳原性を示唆),③筋力低下の有無(神経筋疾患を示唆),④姿勢や運動の異常の有無(筋緊張異常,不随意運動,失調など),⑤合併症の有無(奇形徴候,成長障害,呼吸不全,心不全,摂食嚥下障害,肝脾腫,皮膚病変,けいれんなど)である.
・問診では家族歴(同症状の兄弟や血縁者の有無),妊娠中・出生時・新生児期のリスク因子(母子手帳で確認),既往歴,哺乳や摂食,意思疎通,自発運動,遊びの様子などを聞き取る.身体計測は身長・体重および頭囲を母子手帳のグラフに