GL屈折矯正手術のガイドライン 第7版(2019)
治療のポイント
・屈折矯正手術は,眼鏡やコンタクトレンズ(CL)への依存軽減を目的とする.
・眼鏡やCLによる視力矯正に不都合がない場合は,手術を受ける必要はない.
・眼科疾患の有無,年齢,生活環境などを考慮して,術式を選ぶことが重要である.
◆病態と診断
A病態
・屈折異常(近視,遠視,乱視など)の病態の詳細は,「屈折異常(眼鏡,コンタクトレンズ)」の項(→)を参照されたい.
B診断
・他覚的・自覚的屈折,細隙灯顕微鏡,角膜形状解析,涙液,眼底,眼圧,角膜内皮細胞数,前眼部画像解析などの検査をし,手術適応を考える.
・角膜厚および前房深度は,術式の選択に大きく影響する.
・日本眼科学会による「屈折矯正手術のガイドライン 第7版」を参照されたい.
◆治療方針
A角膜屈折矯正手術
1.LASIK(laser in situ keratomileusis)
安全性,視力回復の早さ,痛みの少なさなどから,最も多く実施されている.角膜表面に作ったフラップをめくり,角膜実質にエキシマレーザーを照射し,実質の一部を除去してフラップを戻す.まれだが注意すべき合併症に,角膜強度の低下による角膜変形で視力が大きく低下するエクタジア(角膜拡張症)があり,発症後はできるだけ早く紫外線とリボフラビンを用いて角膜強度を高める角膜クロスリンキングを実施する必要がある.外傷によりフラップずれが生じたときはすみやかに整復する.
2.サーフェスアブレーション(surface ablation)
いくつかある術式のうち,PRK(photorefractive keratectomy)が代表的である.角膜上皮剥離後,角膜実質にエキシマレーザーを照射し,実質の一部を除去する.フラップがない分,残存する角膜が多く角膜強度も保たれやすい.角膜が薄い,角膜形状に軽度のゆがみがあるなど,LASIKが