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GL小児急性中耳炎診療ガイドライン2018年版
治療のポイント
・抗菌薬の適正使用と,難治例・合併症例の適正治療を心がける.
・鼓膜所見のみでは滲出性中耳炎との鑑別が難しいことがある.
・スコアリングシステムによる重症度に応じた治療を行う.
・第1選択薬はアモキシシリン(AMPC)であり,中等症以上ではAMPC高用量を用いる.
・重症例,難治例では可能な限り鼓膜切開を施行することが望ましい.
◆病態と診断
A病態
・小児期において最も頻繁に遭遇する市中感染症であり,経耳管感染である.通常は上気道炎に続いてウイルス性急性中耳炎が発症し,細菌の重感染により細菌性中耳炎に移行する.
・肺炎球菌,インフルエンザ菌,モラクセラ・カタラーリスが3大起炎菌であるが,本邦では薬剤耐性菌の検出頻度が高い.
・良好な経過であれば感染・炎症は3~4週間で完治するが,薬剤耐性菌の増加に伴い,抗菌薬などの治療を行ってもなかなか改善しない遷延する急性中耳炎や,いったん治っても頻回に急性感染を繰り返す反復性急性中耳炎などの難治例が増加している.
・難治化のリスク因子として,低年齢(2歳未満)と集団保育環境による病原微生物への曝露が挙げられる.
B診断
・「急性(48時間以内)に発症した中耳の感染症で,耳痛,発熱,耳漏を伴うことがある」と定義される.
・顕微鏡や内視鏡を用いて,拡大視下に詳細な鼓膜の観察をすべきである.
・鼓膜所見だけでは滲出性中耳炎との鑑別が難しいこともあり,耳痛や発熱などの急性症状を伴うときに急性中耳炎と診断する.
◆治療方針
本邦の「小児急性中耳炎診療ガイドライン」のコンセプトは,重症度に応じた治療プランの提案である.鼓膜所見を重視したスコアリングシステムによる重症度分類を行うことを推奨しており,重症度は臨床症状,鼓膜所見に年齢ファクターを加えた合計7項目のスコア合計により,軽症,中等症,重症に分類され
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