頻度 割合みる
ニュートピックス
・喉頭マイクロ手術後の沈黙期間については,エビデンスはなく7日間程度が多かったが,最近の臨床研究で3日間に短縮するほうが創傷治癒によいことが示された.
・手術においては,術後の声帯の瘢痕化を避けるため,声帯粘膜組織を可能な限り温存するマイクロフラップ手術が推奨される.
治療のポイント
・保存的治療(薬物療法や音声治療)でポリープが消失することは通常ない.
・原則,手術(喉頭マイクロ手術)が必要となる.
・術後数日間の沈黙療法が必要である.
・再発はまれである.
◆病態と診断
A病態
・声帯ポリープは一側性に発生することが多く,微小血管の破綻による血腫としてできる.
・声の乱用や誤用が原因である.
・最初は赤色調を呈するが,経過とともに血色素が抜けると白色調になる.
・有茎性のものから広基性のものまで形状はさまざまである.
B診断
・喉頭内視鏡検査で,外観から診断される.
・鑑別診断として声帯結節,嚢胞,悪性腫瘍などが挙げられ,喉頭ストロボスコピー検査で鑑別される.
◆治療方針
A薬物治療
薬物治療として有効なものは少ないが,声帯の炎症あるいは血腫の改善のために用いられることがある.
Px処方例 下記を併用する.
B音声治療
音声治療は発声中の声帯への負担を減らし炎症を改善させるために行われる.発声がある程度楽になる効果は期待されるが,ポリープが消失することはまれである.手術前の発声法の矯正のために用いられることがある.
C手術治療
喉頭マイクロ手術が行われる.全身麻酔下に経口的に喉頭直達鏡を挿入し声帯を明視下におき,顕微鏡下にポリープの除去が行われる.手術時間は30分程度である.数日間の入院,もしくは施設によっては日帰り手術で