今日の診療
治療指針

めまい,平衡障害
vertigo(dizziness),dysequilibrium
岩崎真一
(名古屋市立大学教授・耳鼻咽喉・頭頸部外科学)

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治療のポイント

・めまいの診療では問診が重要である.めまいの性状(回転性,浮動性),誘発因子(頭位変化など),発症様式(急性,慢性)だけでなく,頭痛や手足の麻痺,呂律不良などの随伴症状の有無に注意を払う.

・急性めまいの原因は,内耳に起因する末梢性めまいが大半であるが,小脳梗塞などによる中枢性めまいの場合もあるので,見逃さないよう注意を払う.

・慢性期のめまい,平衡障害では前庭リハビリテーションが症状の軽減に有効である.

◆病態と診断

A病態

・めまいは,急性めまいと慢性めまいに大別される.急性めまいの原因としては,良性発作性頭位めまい症(BPPV:benign paroxysmal positional vertigo),メニエール病,前庭神経炎などの末梢性めまいが大部分を占めるが,一部は小脳・脳幹の出血や梗塞などの脳血管障害により生じる中枢性めまいに起因する.

・急性末梢性めまいは,耳

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