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治療のポイント
・めまいの診療では問診が重要である.めまいの性状(回転性,浮動性),誘発因子(頭位変化など),発症様式(急性,慢性)だけでなく,頭痛や手足の麻痺,呂律不良などの随伴症状の有無に注意を払う.
・急性めまいの原因は,内耳に起因する末梢性めまいが大半であるが,小脳梗塞などによる中枢性めまいの場合もあるので,見逃さないよう注意を払う.
・慢性期のめまい,平衡障害では前庭リハビリテーションが症状の軽減に有効である.
◆病態と診断
A病態
・めまいは,急性めまいと慢性めまいに大別される.急性めまいの原因としては,良性発作性頭位めまい症(BPPV:benign paroxysmal positional vertigo),メニエール病,前庭神経炎などの末梢性めまいが大部分を占めるが,一部は小脳・脳幹の出血や梗塞などの脳血管障害により生じる中枢性めまいに起因する.
・急性末梢性めまいは,耳石器・半規管・前庭神経からなる末梢前庭の急速な機能障害(あるいは亢進)に起因する.BPPVでは浮遊耳石の半規管内での移動,メニエール病では内リンパ水腫による前庭機能の障害,前庭神経炎ではウイルス感染による前庭神経の炎症がめまいの原因となる.
・慢性めまいでは,一側前庭障害後の代償不全や心因性めまい,加齢に伴う前庭機能の低下などが原因となる.
B診断
・問診では,めまいの性状に加えて,頭痛や手足の麻痺,顔面のしびれ,呂律不良,意識消失など,中枢性めまいを示唆する随伴症状の有無に注意を払う.高血圧や脂質異常症,心疾患,糖尿病などのリスクファクターの有無についても尋ねる.
・眼振検査では,末梢性めまいにおいては,水平性あるいは水平回旋混合性の眼振が定方向にみられる.垂直性の眼振や注視方向性眼振がみられる場合は,中枢性のめまいを疑う.
・四肢の麻痺の有無や四肢・体幹の失調の有無に注意を払う.
・CTやMRIな
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