今日の診療
治療指針

嗅覚障害
olfactory dysfunction
都築建三
(兵庫医科大学主任教授・耳鼻咽喉科・頭頸部外科)

頻度 よくみる(日本での情報はないが,米国での嗅覚障害罹患率は人口の約1~3%と報告されている)

GL嗅覚障害診療ガイドライン(2017)

ニュートピックス

・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による嗅覚障害は,アンジオテンシン変換酵素2受容体を介する嗅粘膜の支持細胞の感染が一因と考えられている.COVID-19により味覚異常を訴える患者は,嗅覚障害に起因する風味障害である場合も多い.

・嗅覚リハビリテーションとして,嗅覚刺激療法が推奨され,その治療法の確立のための研究が始まっている.

治療のポイント

・気導性嗅覚障害には,薬物治療と手術が有効である.

・嗅神経性嗅覚障害には,薬物治療と嗅覚刺激療法で嗅神経細胞の再生を促すことが有効である.

・中枢性嗅覚障害の治療法は確立されていないが,嗅覚刺激療法の有効性が期待される.

◆病態と診断

A病態

・嗅覚障害は,重症度,原因疾患,障害部位により分類される.

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