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GLサルコペニア診療ガイドライン(2017年版)
治療のポイント
・フレイルおよびサルコペニアは加齢だけでなく低活動,栄養不足,疾病,社会的問題,精神心理的問題などによって生じる.
・運動と栄養の組み合わせを軸に,多角的視点で評価した個々の誘因に対し介入する.
・CGAは多角的視点で評価する手法として効果的である.多職種および家族の協力を得て,効果的な複合的介入を計画する.
◆病態と診断
A病態
・加齢に関連した生理的予備能の低下によって,内外の健康を害するストレスに対し脆弱性が亢進した状態がフレイルである.日本老年医学会が2014年にfrailtyの日本語としてフレイルという言葉を提唱した.
・フレイルは健常から要介護に至る中間の状態であり,適切な介入によって可逆性(回復)が期待できる.
・サルコペニアは2016年にICD-10に収載された筋疾患であり,加齢,低活動,栄養不足,さまざまな疾病など多要因によって引き起こされる.
・サルコペニアはフレイルの病態の中核をなすと考えられている.
B診断
・日本人のフレイル診断は改定日本語版フレイル基準(J-CHS基準)に倣う.5つの症状および徴候を検討し3項目以上該当した場合にフレイルと診断する(表1図).
・アジア人のサルコペニア診断はAWGS(Asian Working Group for Sarcopenia)2019基準に倣う.クリニックなどで行う簡易診断(サルコペニアの可能性)と,精査が可能な施設で実施する確定診断の2パターンが準備されている(表2図).
◆治療方針
フレイル・サルコペニアともに原因は多岐にわたる.フレイル診断は身体的フレイルついて一般的に行われるが,他のフレイル概念(精神心理的フレイル,社会的フレイル)の影響を受けている可能性もある.フレイル,サルコペニアともにその原因を推論することが重要であり,複数要因を抱えている
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