今日の診療
治療指針
在宅

慢性呼吸不全患者のケア
care for chronic respiratory failure patients
吉松由貴
(University of Greenwich(英国))

ニュートピックス

・日本呼吸器学会,日本呼吸ケア・リハビリテーション学会より「非がん性呼吸器疾患緩和ケア指針2021」が新しく作成され,エビデンスの少ない本領域において重要な指針となっている.

治療のポイント

・治療方針を組み立てる際,原疾患の治療,機能の改善,症状緩和の3つの軸を考える.

・治療手段には薬物療法や酸素療法のほか,呼吸リハビリテーション(リハビリ),心理社会面への介入があり,多職種による包括的なアプローチが肝要である.

◆病態と診断

A病態

持続的な低酸素血症の状態を意味する.

・原因にはCOPD,肺結核後遺症,間質性肺炎,肺癌や癌性胸膜炎,じん肺,慢性心不全,神経筋疾患などがある.

B診断

・動脈血酸素分圧(PaO2)60Torr以下が1か月以上持続する状態と定義される.

CO2 貯留の有無に応じて,2群に分類される〔動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)45Torr未満:Ⅰ型呼吸不全,45T

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