今日の診療
治療指針
在宅

病院や専門医との連携
cooperation with hospitals and medical specialists
小宮山学
(ありがとうみんなファミリークリニック平塚・院長(神奈川))

A病院との連携(入・退院時)

1.退院時

 退院時共同指導は,病院と在宅療養を担う双方の医療者・ケアマネジャーなどが共同で,在宅療養に必要な説明や指導を行う場であり,本人や家族に面会し在宅生活を安心して迎える準備の場でもある.医療面としては病状経過や治療・リハビリ内容,点滴・経管栄養・膀胱留置カテーテルなどの医療デバイスを確認し,生活面としては食事・排泄・保清・移動などの問題点を確認する.在宅療養で継続可能な環境を作るため,治療やデバイスの変更や簡素化,家族指導など入院中に病院側に調整してほしいことを伝え,在宅側は状態に応じた医療や介護サービス,福祉用具などを準備する.介護保険・訪問看護指示書・退院日の設定・退院手段・初回訪問日など事務的な確認も行う.本人・家族の意向をできるだけ把握し,退院後の意思決定支援に繋げられるよう信頼関係の基礎を築く.

 退院時共同指導はできるだけ行うことが望ましいが,予後が短い場合は退院を優先することもある.その場合も,診療情報提供書だけでなく主治医と電話し追加情報や詳細を確認する,訪問看護師やケアマネジャーと連絡を取り合い多職種の情報を可能な限り集めるなど,事前の連携がケアの質を高める.令和2年の診療報酬改定で,対面だけでなくオンラインでも算定可能となった.

2.入院時

a.急性期

 病状が悪化し病院での急性期対応が必要と判断した場合は,まず病院医師に電話で病状を伝え,受け入れ可否などを確認する.直接診察して判断することが望ましいが,緊急性が高いと判断された場合は電話で対応することもある.診療情報提供書は現場で書いて患者に持たせるかFAXするなど,早急に情報提供する.入院中の意思決定に関する本人・家族の意向や,退院後の在宅支援に繋がる情報もあれば記載する.訪問看護師やケアマネジャーにも入院経過を伝える.

b.亜急性期・検査入院・レスパイト入院

 軽症な急性疾患

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