小児使用量は成人用量を1とした場合,下記の量が標準とされている.
15歳未満7歳以上:成人用量の2/3
7歳未満4歳以上:成人用量の1/2
4歳未満2歳以上:成人用量の1/3
2歳未満:成人用量の1/4
体質に合っていると苦い漢方薬でも服用できる.しかし漢方薬の味によっては服用しづらい場合がある.適宜ゼリーなどに混合して投与するなどの工夫が必要である.
図には小児に特に応用されることの多い漢方薬を挙げた.詳しくは各項目を参照のこと.
乳幼児下痢症 下痢には,桂枝加芍薬湯薬,半夏瀉心湯薬,柴苓湯薬,胃苓湯薬,啓脾湯薬などが用いられる.
嘔吐と下痢がある場合には,柴苓湯薬,胃苓湯薬,五苓散薬などが用いられる.
小児夜啼症 抑肝散薬,抑肝散加陳皮半夏薬,柴胡加竜骨牡蛎湯薬,甘麦大棗湯薬などが用いられる.
起立性調節障害 立ちくらみ,めまい,動悸などの循環器症状が強い場合には,半夏白朮天麻湯薬,柴胡加竜骨牡蛎湯薬,当帰芍薬散薬,苓桂朮甘湯薬,苓桂朮甘湯合四物湯(連珠飲)などから処方が選ばれる.
小建中湯薬,小柴胡湯薬,柴胡桂枝湯薬などで体力の増進をはかることも治療に通じる.
夜尿症 柴胡桂枝湯薬は神経質で胸脇苦満と腹直筋の緊張を伴う場合に有効なことがある.葛根湯薬は体力充実者,苓姜朮甘湯薬は冷え症,小建中湯薬は虚弱者,白虎加人参湯薬は口渇の激しいもの,六味丸薬は膀胱機能の十分発達していないものにそれぞれ用いられる.
反復性臍疝痛 小建中湯薬,桂枝加芍薬湯薬,柴胡桂枝湯薬,当帰建中湯薬,黄耆建中湯薬などが頻用される.これを服用していると胃腸が丈夫になり,胃腸虚弱が改善する.特に小建中湯薬は甘味があって用いやすい.
水痘 漢方では水疱を水毒としてとらえ,初期には発表剤の升麻葛根湯薬,葛根湯薬,利水剤の五苓散薬などが用いられる.また,中期から後期には,十味敗毒湯薬,桂枝加
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