今日の診療
治療指針

26.嚥下障害診療ガイドライン2018年版



作成グループ名

 日本耳鼻咽喉科学会 嚥下障害診療ガイドライン作成委員会(委員長:兵頭政光).

作成時期・改訂予定の有無

 2018年9月10日に「嚥下障害診療ガイドライン」の2018年版(第3版)として発刊され,日本耳鼻咽喉科学会ホームページにも公開された.2023年に予定されている改訂では,新たなエビデンスや評価方法の反映や,CQ(クリニカルクエスチョン)の見直しなどが見込まれている.


準拠したエビデンスの分類,勧告・奨励の分類など


A.作成目的

 嚥下障害患者,あるいはそれを疑う患者を診察する医師・歯科医師やメディカルスタッフを対象として,診療の際の手引きとなることが目的とされた.また,診療の結果に基づいて,以下の判断ができるように支援することも目的とされた.

1) 外来において経過観察を行う.

2) 外来において嚥下指導を行う.

3) 詳細な嚥下機能評価をより専門的な医療機関に依頼する.

4) 診断あるいは評価を行ったうえで,治療をより専門的な医療機関に依頼する.

5) 現時点で評価や治療の適応外との判断を行う.


B.特徴

 診療における「推奨」について,一般的に適切と思われる臨床行為を,利用可能な文献と作成委員の臨床経験から推奨度を示さず「推奨」として示している.また,エビデンスの収集においては,各文献に以下のエビデンスレベルを付記し掲載している.

<エビデンスレベル>

 I:システマティックレビュー/RCTのメタアナリシス

 II:1つ以上のランダム化比較試験による

 III:非ランダム化比較試験による

 IVa:分析疫学的研究(コホート研究)

 IVb:分析疫学的研究(症例対照研究,横断研究)

 V:記述研究(症例報告やケース・シリーズ)

 VI:患者データに基づかない,専門委員会や専門家個人の意見


治療に関する部分の解説


A.嚥下障害診療アルゴリズム・問診・診察・嚥下障害簡易検査

 嚥下障害の評価,診断,

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?