アナフィラキシー | 医学書院

症状

　薬物投与直後から2時間（時に48時間以後）程度で出現する悪心・嘔吐，腹痛，下痢，全身性じん麻疹，顔面紅潮，血管浮腫，気管支けいれん（呼気時喘鳴，窒息感），チアノーゼ，喉頭浮腫（吸気時喘鳴），低血圧，不整脈，もうろう感，重篤で切迫した不安感，好酸球増加症，血清トリプターゼ上昇

可能性

　ヨード含有造影剤，抗癌剤（特にタキサン系のパクリタキセル薬などが多い，他にシスプラチン薬薬，エトポシド薬，オキサリプラチン薬など），βラクタム系などの抗生物質，生物由来酵素製剤〔L-アスパラギナーゼ薬，塩化リゾチーム薬（卵白由来の蛋白），タンニン酸アルブミン薬，乳酸菌製剤薬，経腸栄養剤など〕，免疫グロブリン・モノクローナル抗体薬（リツキシマブ薬，トラスツズマブ薬，エタネルセプト薬など），インフルエンザワクチン薬，NSAID〔アスピリン薬薬，インドメタシン薬薬薬薬など，外用剤型のもの（テープ，パップなど）でも報告があるので注意〕，免疫抑制薬（アザチオプリン薬など），抗真菌薬（フルコナゾール薬，ミカファンギン薬など），抗ウイルス薬（バロキサビル薬など），デキストラン薬薬薬薬，局所麻酔薬（プロカイン薬など），全身麻酔薬（セボフルラン薬など），オザグレル薬薬，エダラボン薬，リネゾリド薬，ポリドカノール薬，賦形剤（アスパルテーム，カルボキシメチルセルロースなど），殺菌消毒剤〔クロルヘキシジン（ヒビテンなど）〕，硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸薬（内痔核の硬化剤）減感作療法（スギ花粉エキス原末薬など），イプラグリフロジン薬，ボノプラザン薬，関節機能改善薬（ジクロフェナクエタルヒアルロン酸）など多数

対応

　原因と推定される薬物の中止，標準的な蘇生処置（気道確保，横臥下肢挙上，酸素吸入，静脈ルート確保，血圧測定），エピネフリン薬薬皮下または筋肉内投与，副腎皮質ステロイド，抗ヒスタミン薬，グルカゴン薬