適応
全身麻酔
用法
導入:睡眠量の静脈麻酔薬を投与し,本剤と酸素又は酸素・亜酸化窒素混合ガスとで導入.又,本剤と酸素又は酸素・亜酸化窒素混合ガスでも導入可 ►最初0.5%から始めて徐々に濃度を上げ,手術に必要な濃度にすることが望ましい.通常4.0%以下の濃度で導入可 維持:酸素・亜酸化窒素と併用し,最小有効濃度で外科的麻酔状態を維持.通常,2.5%以下の濃度で維持可
禁忌
1)過敏症(本剤,ハロゲン化麻酔薬)
2)血族に悪性高熱(現れやすい)
注意
〈基本〉
①使用に際しては,麻酔技術に熟練した医師が,専任で患者の全身状態を注意深く監視
➋原則として絶食させておく
③原則として麻酔前投薬を行う
④麻酔中は気道に注意して呼吸・循環に対する観察を怠らない
⑤麻酔の深度は必要な最低の深さにとどめる
⑥運転不可麻酔の影響が完全に消失するまで自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させない
〈取扱上〉
①正確な濃度の気体を供給できる専用気化器の使用が望ましい
②本剤の瓶頸部に注入装置専用のカラー(紫色のリング状の気化器接続部分)を装着
③類薬において乾燥した二酸化炭素吸収剤で異常発熱の報告.一酸化炭素が発生する恐れ→二酸化炭素吸収剤の乾燥と二酸化炭素吸収装置の温度に注意
患者背景
〈合併・既往〉
①スキサメトニウムの静注により筋強直(悪性高熱)
②心疾患及び心電図異常(QT延長,心室頻拍,心室細動,完全房室ブロック等が出現し心停止の恐れ)
③胆道疾患(増悪)
〈腎〉さらに悪化の恐れ 〈肝〉増悪の恐れ
〈妊婦〉妊B3
①妊婦(3カ月以内)及びその可能性:有益のみ
②産科麻酔:麻酔深度が深くなるにつれ,子宮筋弛緩作用増強→慎重に
〈授乳婦〉有益性を考慮して継続又は中止 〈小児〉低出生体重児,新生児,乳児又は幼児を対象とした臨床試験は未実施 〈高齢〉副作用発現率が年齢と相関して高くなる.80歳以上で成人(15~64歳)に比べ副作用発現率に有意