診療支援
治療

 1959年に初版が刊行された『今日の治療指針』は,2024年版として第66巻が発刊されることになった.今年度版もすべての項目を新しい執筆者により書き下ろすという本書の特徴が踏襲され,全27章1,181項目が1,165名の執筆者によって最新の内容にアップデートされた.

 本書は版を重ねるたびに,さらに内容を充実させるため新しい企画を取り入れている.今年度版の企画の1つは,新しい見出しとして「帰してはいけない患者」を追加したことである.緊急に入院させるべきかどうかは診療の現場でしばしば求められる臨床的に重要な判断の1つである.「帰してはいけない患者」では緊急入院が必要な症例や見逃してはならない徴候など,対応に急を要するケースや注意を要する点を簡潔に記載した.外来においてこのような患者を迅速,的確に判断するうえでの参考にしていただきたい.企画の2つ目は電子版掲載の「エビデンス」をさらに充実させたことである.主要なガイドライン(疾患項目)に基づいて,主に治療に関する最新のエビデンスを追加した.

 昨年度版と同様に今年度版でもアピールしておきたい点がある.1つは今年度版も電子版を無料で提供するサービスが付いていることである.本書に付与されたシリアル番号を用いてオンライン上でお申し込みいただくと電子版の閲覧が可能になる(閲覧期限2025年1月末).全文検索機能を搭載しているので,インターネット接続環境があれば各種電子デバイスを用いて素早く検索・閲覧が可能となる.また,「文献」および「エビデンス」,一部の付録は電子版でのみ閲覧できる.電子版の閲覧は2014年度から実施しているが,重い本体を持たずにスマートフォン,タブレットで検索,閲覧できるため,若手医師からも非常に好評である.さらに『治療薬マニュアル』を同時に購入していただくと相互にリンクし,治療指針の処方例から『治療薬マニュアル』の薬

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