序
1959年に初版が刊行された『今日の治療指針』は,2024年版として第66巻が発刊されることになった.今年度版もすべての項目を新しい執筆者により書き下ろすという本書の特徴が踏襲され,全27章1,181項目が1,165名の執筆者によって最新の内容にアップデートされた.
本書は版を重ねるたびに,さらに内容を充実させるため新しい企画を取り入れている.今年度版の企画の1つは,新しい見出しとして「帰してはいけない患者」を追加したことである.緊急に入院させるべきかどうかは診療の現場でしばしば求められる臨床的に重要な判断の1つである.「帰してはいけない患者」では緊急入院が必要な症例や見逃してはならない徴候など,対応に急を要するケースや注意を要する点を簡潔に記載した.外来においてこのような患者を迅速,的確に判断するうえでの参考にしていただきたい.企画の2つ目は電子版掲載の「エビデンス」をさらに充実させ