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治療のポイント
・消化管出血を疑う場合はすみやかにバイタルサインをチェックし,点滴,血液検査,輸血などの必要な初期対応を行い循環動態の安定化をはかる.
・活動性出血の場合は出血性ショックに移行することもあるため,早めに消化器内科医へコンサルトする.
・吐血患者にはプロトンポンプ阻害薬の点滴をあらかじめ行っておく.
・止血後は原因となった背景疾患の治療を行い再出血の予防に努める.
◆病態と診断
A病態
・吐血(hematemesis)とはトライツ靭帯より口側の消化管からの出血のことを指し,出血の程度により黒褐色から鮮紅色までさまざまである.下血(melena)とは本来,タール便または黒色便が排泄されることを意味し上部消化管出血を示唆する言葉であるが,臨床現場では暗赤色,または鮮血便が排泄される血便(hematochezia)のことを「下血」と解釈して扱っていることが多い.上部消化管出血が著し