A概要
大腿動脈から挿入したカテーテル付きバルーンを大動脈内で膨らませ,中枢側からの血流を遮断することで出血による心停止を回避する.従来の開胸や開腹による大動脈遮断よりも低侵襲で,遮断位置や遮断状態の調整が可能である.わが国ではIABO(intra-aorta balloon occlusion)の名称で,1990年代後半から腹腔内出血や産科出血に対して使用されてきた.2011年に蘇生的大動脈遮断バルーン(REBOA:resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta)として遮断位置による使用法が示されたことで世界的に広まっている.現在7Fの細径カテーテルが使用可能である.
B手技のポイント
1)適応は重篤なショック状態にある横隔膜以下(腹腔内,骨盤領域を含む後腹膜,下肢)の大量出血である.
2)迅速な根治的止血術を前提に用い,検査