中心静脈カテーテル留置は,救急患者や重症患者だけでなく一般的に行われる処置で,全身管理に非常に有用である.しかし,同時にカテーテル挿入時・留置期間中に重篤な合併症を引き起こす危険性がある.このため,ほかの代替手段の可能性を考慮したうえで,挿入に関するリスク・ベネフィットを検討する必要がある.また,施設・病院や診療科ではその方法と手技の標準化が必須であり,合併症の早期発見と対処を知っておくことが必須である.
A適応
1)末梢静脈から投与できない薬剤の使用:循環作動薬,中心静脈栄養剤
2)血行動態モニター:中心静脈圧,中心静脈酸素飽和度(ScvO2)
3)体外循環のバスキュラーアクセス:透析,体外式膜型人工肺(ECMO:extracorporeal membrane oxygenation)
4)他デバイス留置のルート:肺動脈カテーテル,下大静脈フィルター,一時ペーシング
B挿入部位と特徴
1.内頸静脈