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治療

局所麻酔法 [■麻酔,鎮痛]
local anesthesia
櫻井 淳
(日本大学診療教授・救急集中治療医学)

 局所麻酔は,処置時にナトリウムチャネルをブロックする局所麻酔薬を用い感覚神経を遮断することで得る鎮痛方法である.①末梢神経から脳や脊髄への痛覚遮断を行う表面麻酔,浸潤麻酔,静脈局所麻酔,各種末梢神経ブロックと,②中枢神経である脊髄をブロックする脊髄麻酔,硬膜外麻酔がある.

 薬剤を注入後,作用発現までしばらく時間がかかるので,効きだすまで待つことが局所麻酔法の有効な使用のコツとなる.局所麻酔薬にアドレナリンを加えることで,組織の血管が収縮して吸収が遅くなることにより,作用時間が延長する.局所麻酔注入時は,刺入後にシリンジに軽く陰圧をかけて血液の逆流がないことを確認し,疼痛を防ぐためゆっくりと注入する.

 局所麻酔中毒,アナフィラキシーショックといった致死的合併があるので,使用する局所麻酔薬の極量を超えないこと,合併症が発生した際の対応を知って使用することが必要である.

A表面麻酔

 皮膚や粘膜に局所麻酔薬を,ゼリーとして塗布,散布,テープとして添付するなどの投与方法により作用する.

1)胃管,尿道カテーテル,上部消化管内視鏡などの挿入時は,局所麻酔と同時に潤滑のためゼリー状の製剤を用いる.

Px処方例

 リドカイン(キシロカイン)ゼリー 適量をチューブや内視鏡に塗布

2)咽頭の処置時に口腔内にスプレーして使用する.

Px処方例

 リドカイン(キシロカイン)ポンプスプレー 1~5回 噴霧〔1回噴霧で0.1mL:8mg(リドカインとして)〕

3)局所麻酔薬を含有するテープを皮膚に貼り付けて浸透させ,静脈留置針穿刺時や伝染性軟属腫摘除時,皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和を行う.年齢にあわせた極量に注意して使用する.

Px処方例

 リドカイン(ペンレス)テープ(18mg/枚) 処置1時間前に貼付

B浸潤麻酔

 浸潤麻酔は,局所麻酔薬を皮膚切開や縫合といった外科的な処置を行う際に組織に直接注入して行う鎮痛

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