診療支援
治療

腰椎穿刺,脳脊髄液採取法 [■その他]
☆☆
lumbar puncture and collection of cerebrospinal fluid
中永士師明
(秋田大学大学院教授・救急・集中治療医学)

A目的

 腰椎穿刺は腰椎くも膜下腔から脳脊髄液を採取して,適応疾患を診断するために行う.また,炎症性サイトカインや腫瘍マーカーなどの測定も可能である.さらに薬剤の髄腔内投与やドレナージ目的に施行されることもある.

B適応

 髄膜炎・脳炎,脱髄疾患,脊髄疾患,くも膜下出血,変性疾患などである.

C禁忌

1)頭蓋内圧亢進:脳ヘルニアを起こす危険があるので,腰椎穿刺前には眼底鏡検査や頭部CTを施行する.

2)出血傾向,凝固異常:ただし,抗血小板薬,抗凝固薬,ヘパリン使用中は禁忌ではなく,中止後適切な時期に施行可能である.

3)穿刺部位の感染.

4)穿刺部位の脊髄動静脈奇形.

D手技

1)患者を側臥位(術者が右利きなら左側臥位)にし,両膝を胸にかかえて,顎を引き,背中を丸く突き出させる.

2)穿刺部位はL3/4,L4/5,L5/S1で施行可能であるが,まずはL4/5(Jacoby線上)で試みる(印を付ける).

3)穿刺部

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