診療支援
治療

小児の診かた:診察・処置の特性 [■その他]
approach to pediatric patients:characteristic features in examinations and procedure
森田 崇
(淀川キリスト教病院・小児科副部長(大阪))

 小児の救急医療で成人と異なる点は,病名の診断より重症度評価と初期対応の重要性が高い点にある.小児は軽症患者が圧倒的に多い一方で,緊急性の高い病態を放置すると短時間に重篤な状態に陥ることも多い.

 小児救急患者を診るときには,多くの患者のなかから緊急性の高い患者を見抜くトリアージの考え方と,重症患者(特に呼吸不全とショック)の初期対応が重要である.

A小児トリアージ

 小児アセスメントトライアングル(PAT:pediatric assessment triangle)で全身状態の評価を行う.PATでは,聴診器やパルスオキシメータなどの医療機器を用いることなく,視覚と聴覚によって外観(A:appearance),呼吸(B:breathing),循環(C:circulation)を迅速に評価し,いずれかに異常を認めれば危急的状態として対応する.外観(A)の異常としては,筋緊張,周囲への反応,視線が合

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