特 徴
神経線維腫症1型(NF1)治療薬.
NF1は,腫瘍抑制蛋白質ニューロフィブロミンをコードするNF1腫瘍抑制遺伝子の病的バリアントが原因で発症する常染色体顕性遺伝疾患である.特有な皮膚色素沈着(カフェオレ斑)や,患者の30~50%にみられる神経鞘の腫瘍(叢状神経線維腫,PN)を主徴とし,皮膚,神経系,眼,骨などに多種病変が年齢の変化とともに出現し,全身に多彩な徴候を呈する.NF1はGTPアーゼ活性化蛋白質(RAS)とその下流に続くプロトオンコジーンセリン/トレオニンプロテインキナーゼ(RAF)/MEK/ERK経路が活性化することにより,神経系の細胞が増殖し続けて発症する.本症は指定難病であり日本の患者数は約4万人と推定され,NF1患者は健康人に比べて平均余命が最長で15年短くなる可能性があるとの報告もある.NF1患者ではRASを不活型に変換するニューロフィブロミンが正常に機能しないた