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◆病態と診断
A病態
・テオフィリンとカフェインはともにキサンチン誘導体であり,薬理作用や中毒症状は類似する.
・テオフィリンは気管支拡張薬として気管支喘息などの治療に用いられてきたが,治療係数が小さく処方量は減少した.カフェインはコーヒー・緑茶・エナジードリンクなどの飲料や感冒薬・眠気防止薬に含まれ,近年急性中毒が問題となっている.
・キサンチン誘導体は副腎髄質からカテコールアミンの遊離を促し,β刺激作用を発揮する.また,細胞内サイクリックAMP(cAMP)の増加,アデノシン受容体拮抗作用をもち,筋小胞体からCaの遊離を促す.
・その結果,中枢神経刺激作用(興奮,けいれん,昏睡),気管支平滑筋弛緩作用・血管拡張作用(血圧低下),心筋刺激作用(頻脈性不整脈),利尿作用,骨格筋興奮作用(乳酸アシドーシス,横紋筋融解症)を発現する.
・テオフィリンの中毒量は血中濃度20μg/mL,重症例は,急性中毒80~100μg/mL・慢性中毒40~60μg/mLである.カフェインの中毒量/致死量はそれぞれ含有量1~3g/5~50g,血中濃度25μg/mL/80~100μg/mLである.
B診断
・テオフィリンの常用,自殺企図などによるカフェインの過量摂取を確認する.
・臨床症状のほか,β刺激作用による糖新生に伴う高血糖,インスリン濃度上昇に伴う低K血症を認めれば中毒を疑う.
◆治療方針
A全身管理
1.呼吸管理
昏睡・呼吸停止を認めれば,気管挿管・人工呼吸器管理を行う.
2.循環管理
頻脈性不整脈や血圧低下はβ刺激作用によるため,ランジオロールなど短時間作用型β遮断薬を使用する.昇圧薬はβ刺激作用の少ないノルアドレナリンやバソプレシンの使用を考慮する.
3.中枢神経管理
けいれんにはジアゼパムの静注,けいれん重積にはミダゾラムやプロポフォールの持続静注を行う.テオフィリンによる重症中毒では,予防的に
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