診療支援
治療

感染症 最近の動向
関 雅文
(埼玉医科大学国際医療センター教授・感染症科・感染制御科)

A学会でのトピックス

 2023年以降は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がオミクロン株の病原性の低下から,いよいよ感染症法上での2類から5類相当の扱いに移行することとなり,新時代の感染症診療,すなわちウィズコロナもしくはポストコロナ時代の感染症対応が話題となった.

 まず特筆すべきこととして,COVID-19以外の感染症,特にインフルエンザや結核に関する報告やセッションが目につくようになった点が挙げられる.インフルエンザに関しては,いわゆるコロナ禍の3年間で国内での報告はほぼ皆無に近い状態であったが,2022年秋以降の海外渡航の大幅緩和以降はオーストラリアやイギリス,米国同様に感染症や学級閉鎖など流行の報告が相次ぎ,COVID-19との「ツインデミック(同時流行)」が強く懸念された(→キーワード2024).もちろんCOVID-19における変異株のさらなる登場,新たな薬剤の登場や今

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