頻度 あまりみない
治療のポイント
・呼吸器ジフテリアは致死率が高いため,早期診断・治療が重要.
・気道閉塞に注意が必要.
◆病態と診断
A病態
・ジフテリア毒素を産生するCorynebacterium diphtheriaeによる.
・潜伏期間は2~5日.
・呼吸器ジフテリアは鼻,咽頭粘膜に病変が出現し,症状は発熱,嚥下困難,嗄声など.死亡率は5~10%と高い.
・毒素による心筋炎や神経炎の合併もある.
・重症例では頸部リンパ節が腫脹し周辺組織に炎症が広がるbull-neck appearanceが認められる.
B診断
・保健所に連絡のうえ,偽膜,鼻腔,咽頭から検体を採取し,分離培養・遺伝子検査などで確定診断を行う.
・ジフテリア類似の症状を引き起こす菌としてC. ulceransがあるが,届出の対象ではない.
◆治療方針
臨床的にジフテリアが疑われる場合,確定診断の前に迅速な抗菌薬・抗毒素による治療が必要.