頻度 あまりみない
治療のポイント
・輸入例が多く,帰国者の発熱では鑑別に挙げる必要がある.
・特に南アジアを中心にキノロン耐性株が増加しており,その場合にはアジスロマイシンなどによる治療が検討される.
・治療後も再発や保菌者となりうる.
◆病態と診断
A病態
・腸チフスはチフス菌(Salmonella enterica subsp. enterica serovar Typhi),パラチフスはパラチフスA菌(Salmonella enterica subsp. enterica serovar Paratyphi A)による感染症である.パラチフスは腸チフスと比較して軽症である.
・経口感染が主な感染様式であり,東南アジアやインド,アフリカ,中南米での有病率が高い.
・リンパ行性に血中に入り,網内系で増殖し,敗血症に至る.第1病期は,1~2週間の潜伏期ののち,菌血症による発熱,嘔気のほか,古典的3徴候(比