頻度 あまりみない
GL成人肺炎診療ガイドライン2017
治療のポイント
・オウム病は感染症法4類感染症に規定され,全数把握対象疾患である.
・Chlamydia psittaciは細胞壁を有さず,ペニシリン系薬やセフェム系薬などのβ-ラクタム系薬は無効であり,テトラサイクリン系薬,マクロライド系薬,キノロン系薬を使用する.
◆病態と診断
A病態
・オウム病はC. psittaciによる人獣共通感染症であり,病鳥や不顕性感染の鳥が分泌する糞や呼吸器分泌物を吸入し感染する.口移し給餌や噛まれて感染することもある.ヒト-ヒト感染はまれである.
・推定感染源として,日本ではインコ,次いでハトとの接触が多い.
・1~2週間程度の潜伏期を経て発症し,突然の発熱・悪寒,頭痛,筋肉痛,乾性咳嗽などの症状を呈する.軽症の気道感染症から,肺炎や髄膜炎まで多彩な病態を含む.
B診断
・最も重要な診断ポイントは,鳥との接触歴や飼育歴を詳細に問診することである.
・確定診断には病原体の分離・同定,PCR法による病原体の検出,ペア血清を用いた特異抗体の検出がある.日本では主に抗体を使用した診断が主流である.
◆治療方針
重要なことは,抗菌薬が細胞内に十分移行することである.ペニシリン系薬やセフェム系薬などのβ-ラクタム系薬やアミノグリコシド系薬は細胞内移行性が低く,抗クラミジア活性を有さない.細胞内移行性が良好で,高いクラミジア増殖抑制を示す薬剤には,テトラサイクリン系薬,マクロライド系薬,ニューキノロン系薬などがある.
治療期間に関して下記薬剤を10~21日間投与する.長期間の薬剤投与は再発を抑制するといわれている.
A外来管理可能な軽~中等症
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
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