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GLリケッチア症診療の手引き(2019)
治療のポイント
・原因不明の発疹を伴う発熱患者では,一般細菌やウイルス感染症に加えてリケッチア感染症も鑑別にあげることが重要である.
・発熱,発疹,刺し口が認められれば本疾患を強く疑う.ただし,刺し口が認められない患者も存在する.
・治療の遅れが致命的となりうる.本疾患を疑った場合,診断に必要な検体の採取・保存ができたら,エンピリックに治療を開始する.
・つつが虫病の治療の第1選択はテトラサイクリン系抗菌薬であるが,日本紅斑熱ではキノロン系抗菌薬の併用も検討する.
Ⅰ.つつが虫病
A病態
・つつが虫病は,リケッチア目リケッチア科オリエンチア属に分類される偏性細胞内寄生菌のOrientia tsutsugamushiを原因とする感染症であり,ダニの一種であるツツガムシの幼虫の刺咬により媒介される.
・つつが虫病を媒介するツツガムシの活動時期に合わせ,春~初夏と秋~初冬の2つのピークがみられる.
・O. tsutsugamushiには血清型としてKato型,Karp型,Gilliam型,Hirano/Kuroki型,Irie/Kawasaki型,Shimokoshi型の6種類が存在する.
・診断した医師は感染症法での4類感染症として直ちに最寄りの保健所への届出が必要である.全国から年間500例程度の発生報告がある.
B診断
・典型的な症例では,5~14日の潜伏期を経て高熱,痂皮を伴う刺し口,発疹を認め,これらは3主徴とされる.このほか,悪寒,頭痛,全身倦怠感,リンパ節腫脹,筋肉痛や関節痛,下痢や嘔吐など多彩な症状を呈する.
・発疹は体幹部優位に全身性にみられ,辺縁不整な小豆大~母指頭大で,瘙痒感を伴わない紅斑あるいは紫斑である.
・本疾患を疑った際には,注意深く刺し口を探すことがきわめて重要である.刺し口には痂皮を伴うことが多く,10mm程度の大き
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