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GL抗HIV治療ガイドライン(2023)
GLHIV感染症「治療の手引き」第26版(2022)
ニュートピックス
・「日本におけるHIV感染予防のための曝露前予防(PrEP)利用の手引き(第1版)」(日本エイズ学会作成)により,本邦における曝露前予防の指標が定義された.
・持効性注射薬カボテグラビル,リルピビリンが登場し,従来の1日1回以上の内服治療とは異なる新たな治療方法が選択可能となった.
治療のポイント
・診断後の早期治療が,合併症やHIV関連死亡を減らし,2次感染の抑制にも寄与することが科学的に証明されており,免疫状態によらない早期の抗ウイルス薬導入が治療の原則となっている.
・AIDS指標疾患を含む日和見疾患のスクリーニングを怠らない.
・抗ウイルス薬使用により,ほとんどの症例でウイルス増殖抑制を達成することができる.
・高血圧や脂質異常症,骨粗鬆症などのほかの長期合併症の発生率が非感染者と比べ高く,これらの出現に注意して診療を行う.
◆病態と診断
A病態
・本邦では男性同士の性交渉を契機に感染することが多い.
・HIVがCD4陽性リンパ球に感染し,これを減少させ,結果として易感染状態をもたらす.
・感染後の経過は急性感染期,無症候期,AIDS期に分類される.
・急性感染期は感染後一過性に体内でウイルスの増殖が起こり,CD4陽性リンパ球は急激な減少を呈する.症状は無症候から倦怠感,発熱,下痢,咽頭痛など多様であり,多くは数週間以内に自然軽快する.
・無症候期はHIVと免疫機構が拮抗した状態で,平均10年ほど継続すると考えられている.
・AIDS期では,CD4陽性リンパ球数が低下し易感染状態になり,種々の日和見疾患を発症する.
B診断
・スクリーニングとして血液による抗原・抗体同時検査を行い,陽性であった場合はイムノクロマト法による抗体確認検査および核酸増幅検査法による確認検査を行う.
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