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ニュートピックス
・新しい肺炎球菌ワクチン(バクニュバンス)が2023年に接種可能となった.
治療のポイント
・髄膜炎と非髄膜炎とでペニシリン耐性基準が異なることを知っておく.
・ペニシリン系薬の投与が基本であるが,ペニシリン感受性結果とほかの薬剤の感受性結果を勘案して抗菌薬を選択する.
◆病態と診断
A病態
・肺炎球菌はグラム陽性双球菌であり,細胞壁外に多糖体からなる莢膜をもち,これにより好中球の貪食を免れ,病原性を発揮する.莢膜多糖体の抗原性の違いにより,100種類以上の血清型に区分されている.
・肺炎球菌は乳幼児の鼻咽頭に高頻度に保菌されており,成人のなかにも一部保菌者がいる.保菌者からの飛沫感染により鼻咽頭粘膜に無症候性に定着し,感染が広がる.常在する菌が下気道に侵入することで肺炎を起こし,中耳炎,副鼻腔炎なども引き起こす.
・肺炎球菌は本来無菌的な血液や髄液などに侵入し,侵襲性肺炎球菌感染症(IPD:invasive pneumococcal disease)を引き起こすことがある.髄膜炎,菌血症を伴う肺炎,敗血症などが問題であり,小児および高齢者を中心に認められる.
・肺炎球菌は肺炎の原因菌の1/4~1/3を占めて最多であり,インフルエンザ後の2次性肺炎の原因菌としても約半数を占めている.
・IPDの年間症例数は,2020~2021年では前年に比較し減少しており,COVID-19の飛沫感染対策の影響と考えられる.
・IPDは5類感染症であり,7日以内に届け出なければならない.
B診断
・感染部位からの検体培養から,肺炎球菌を検出することにより診断が確定する.検体のグラム染色において多数のグラム陽性双球菌を認め,さらに好中球の貪食像を認めた場合は,肺炎球菌感染症を迅速にしかも強く疑うことができる.
・肺炎球菌抗原検出キットを補助診断として使用できる.検体は尿,髄液,喀痰,上咽頭ぬ
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