頻度 よくみる
治療のポイント
・ムンプスウイルスに対する特異的な治療薬はない.
・発熱や疼痛に対する対症療法,脱水に対する輸液療法などを行う.
・無菌性髄膜炎,難聴,精巣炎などの合併症があり,必要時は専門医にコンサルトする.
・精巣炎は思春期以降の男子で合併頻度が高い.
・ワクチンによる予防が大切であり,日頃から患者啓発に努める.
・学校保健安全法により「唾液腺の腫脹後5日を経過し,かつ,全身状態が良好となるまで」は出席停止である.
◆病態と診断
A病態
・ムンプスウイルスによる急性感染症であり,唾液など気道分泌物の飛沫や接触により感染する.
・唾液腺腫脹の前後1週間程度はウイルスが検出されるが,他人への感染源となりやすいのは,腫脹の数日前から腫脹後5日目頃までである.
・潜伏期間は2~3週間で,唾液腺の腫脹と疼痛,発熱が主訴のことが多い.唾液腺では耳下腺の腫脹が最も代表的であり,流行性耳下腺炎と呼称される.唾