頻度 あまりみない
ニュートピックス
・近年の遺伝子学的診断の進歩により,肺炎の病原体としてのクラミジア(クラミドフィラ)・ニューモニエの割合は,従来の血清診断で考えられていたものと比較してきわめて少ない(1%未満)ことが明らかとなった(Respir Investig 58:336-343,2020).
治療のポイント
・テトラサイクリン系薬,マクロライド系薬,ニューキノロン系薬が有効.重症度は「成人肺炎診療ガイドライン2017」のADROPに準ずるが,軽症例では経口薬治療を,重症例ではミノサイクリン,アジスロマイシン,レボフロキサシンの点滴静注を推奨する.歯牙形成期である8歳未満の小児にはテトラサイクリン系抗菌薬は禁忌である.
◆病態と診断
A病態
・ヒト-ヒト飛沫感染により3~4週間の潜伏期を経て軽症の異型肺炎を発症する.小児および高齢者でみられる.
・定点報告対象(5類感染症)であり,指定届出機関は週ごとに保健所に届け出なければならない.届出のために必要な検査所見として,気道から採取した検体を使用しての分離・同定による病原体の検出,または蛍光抗体法/酵素抗体法による病原体の抗原の検出,またはPCR法による病原体の遺伝子の検出,あるいは抗体の検出(ペア血清による抗体陽転または抗体価の有意な上昇,または単一血清で抗体価の高値)が求められる.届出基準は,診察あるいは検案した医師の判断により,①患者(確定例):症状や所見からクラミジア肺炎が疑われ,上記の検査によって病原体の診断をしたもの,②感染症死亡者の死体:症状や所見からクラミジア肺炎が疑われ,上記の検査によって病原体の診断をしたもの,である.指定届出機関の管理者は,感染症法第14条第2項の規定による届出を,週単位で翌週の月曜日に届け出なければならない.
・臨床症状としては,発熱は軽度で,咽頭痛や鼻汁などの上気道炎症状,乾性咳嗽が多い.ただ
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