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GLMRSA感染症の治療ガイドライン改訂版2019
ニュートピックス
・「抗菌薬TDM臨床実践ガイドライン2022」で,抗MRSA薬の1つであるバンコマイシン(VCM)の治療薬剤濃度モニタリング(TDM:therapeutic drug monitoring)では,トラフではなく,AUCを指標とする投与設計をすることが推奨された.
治療のポイント
・MRSAによる感染症か単なる保菌かを判断し,治療の適応を決定する.
・抗菌薬の投与のみならず感染巣のコントロールが重要である.
・治療薬の特性を理解し,適切な薬剤と投与法を選択する.
・TDMが必要な薬剤の投与では適切なタイミングで実施する.
◆病態と診断
A病態
・MRSAは代表的な耐性菌で,医療関連感染の主要な病原微生物である.従来の院内感染型に加え最近では市中感染型が増加している.
・局所に限局するものから重篤な全身感染症までさまざまな病態を呈し,代表的なものは皮膚軟部組織感染症,血流感染症,呼吸器感染症,骨・関節感染症などである.
B診断
・MRSAが血液など無菌部位から検出された場合には感染症と診断してよいが,喀痰や皮膚,尿,カテーテルなどから検出された場合には感染症か保菌であるか,症状や経過,検査所見などから総合的に判断する.
◆治療方針
抗MRSA薬であるVCM,テイコプラニン(TEIC),アルベカシン(ABK),リネゾリド(LZD),テジゾリド(TZD),ダプトマイシン(DAP),抗MRSA薬以外のST合剤,リファンピシン(RFP),ミノサイクリン(MINO)などから,感染症の種類や重症度と薬剤特性を考慮して選択する.VCM,TEIC,ABKを使用する場合には必ずTDMを実施する.
A皮膚軟部組織感染症
1.軽症,中等症
抗MRSA薬を投与する必要がある場合は少ない.創部のデブリードマンや膿瘍の切開排膿が有効であり,病状に合わせて
関連リンク
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