◆病態と診断
A病態
・ニューモシスチス肺炎はPneumocystis jiroveciiによる日和見感染症である.Pneumocystis属は原虫類に分類されていたが,リボソームRNAの遺伝子配列や細胞壁の構成成分などから,現在では真菌類に分類されている.
・労作時の呼吸困難,乾性咳嗽,発熱が主症状で,肺野の聴診所見は正常であることが多い.呼吸困難は亜急性に進行するため,低酸素の割に自覚症状に乏しいことが多い.
B診断
・診断は,気道検体中の菌体をGrocott染色などで証明できれば確定となる.
・胸部CTでは,両側のびまん性すりガラス陰影で,経過とともに嚢胞性病変を生じることがある.
・画像所見に加え,β-D-グルカンの上昇を認めた場合,本疾患を積極的に疑う.
◆治療方針
A治療
第1選択薬はST合剤であり,治療効果,費用対効果からアレルギーなどの使用困難症例を除いてST合剤で治療を開始すべきである.重
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