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予防接種の安全性と有効性 [■その他]
safety and efficacy of vaccination
掛屋 弘
(大阪公立大学大学院教授・臨床感染制御学)

ニュートピックス

・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して,mRNAワクチン(ファイザー社,モデルナ社)および組換え蛋白ワクチン(武田社,2022年4月薬事承認)がわが国で使用されている.

・BA.4-5株対応2価ワクチンを経て,2023年秋からはXBB株対応1価ワクチンが使用されている.

・わが国で使用できるヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは,サーバリックス(2価HPVワクチン),ガーダシル(4価HPVワクチン),シルガード9(9価HPVワクチン)の3種類がある.2価および4価ワクチンに加えて,2023年4月より9価ワクチンも定期接種の対象となった.9価ワクチンは,1回目の接種を15歳になるまでに受ける場合,合計2回の接種でよい.

・2023年4月より四種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・不活化ポリオ混合:DPT-IPV)ワクチンの1回目は,生後2か月から接種されている.そのため2回目,3回目も1か月ずつ接種時期が早まる.ワクチンデビューは,B型肝炎,ロタウイルス,ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib),小児用肺炎球菌,四種混合の5つのワクチンを同時接種で受けることが勧められる.

A予防接種のポイント

 基本的にワクチンは健常人を対象としており,有効性とともに高い安全性が求められる.予防接種の情報は国立感染症研究所(https://www.niid.go.jp/niid/ja/vaccine-j.html)や予防接種関連学会のWebサイトから入手することができる.

B予防接種の類型

1.定期接種

 予防接種法に基づく接種で,平時のまん延予防のために実施される.A類疾病は,集団予防,重篤な疾病の予防に重点をおき,接種勧奨が行われ,接種の努力義務が課せられる.B類疾病は,個人予防に重点をおき,接種勧奨は行われず,接種の努力義務も課せられない.A類疾病には,ジフテリア

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