◆病態と診断
A学会での主なトピックス
寄生虫症関連の学会として,2023年3月30~31日の両日に第92回日本寄生虫学会大会(大会長:金沢大学 吉田栄人教授)が金沢市で,2023年6月17日に第34回日本臨床寄生虫学会大会(大会長:宮崎大学 丸山治彦)が宮崎市で開催された.
両学会ともに,2022年10月の報道で一躍話題になった顎口虫症についての発表が参加者の注目を集めた.東北地方では2022年になって突然発生したわけではなく,これまでも患者はみられていたとのことで,報道の影響からか関東地方でも顎口虫症疑いの患者の受診が相次いでいることが報告された.約半数の患者にシラウオの食歴があり,皮疹は皮膚の比較的浅いところの爬行疹が多かった.今回の顎口虫症(疑い)の問題点として指摘されたのは抗体検査の感度が低いことで,日本顎口虫症との確定診断が得られた虫体陽性例でもELISAでは陰性であった.これは