頻度 あまりみない
治療のポイント
・合併症のない熱帯熱マラリア,非熱帯熱マラリア,および重症マラリアの3種類に分けて治療薬を選択する.
・重症マラリアに対する治療は,熱帯病治療薬研究班が保管・管理しているグルコン酸キニーネ注射薬を使用し,原則として研究班の研究実施医療機関で行う.
・三日熱マラリア,卵形マラリアでは急性期治療後に休眠体(ヒプノゾイト)に対する根治療法が必要である.
◆病態と診断
A病態
・メスのハマダラカの吸血によって,蚊の唾液腺にいるスポロゾイトがヒトの体内に侵入することによって感染が成立する原虫疾患である.
・ヒトに感染し症状を引き起こす代表的な原虫は,熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum),三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax),卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale),四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae