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GL成人肺炎診療ガイドライン2017
ニュートピックス
・2022年度の診療報酬改定では,感染対策向上加算の算定が増額されている.院内肺炎に関連するものとして,施設ごとに耐性菌のサーベイランス,感染対策の訓練などが求められる.
治療のポイント
・多くは高齢者の誤嚥性肺炎である.
・予後不良疾患の終末期肺炎の場合もあり,患者の意思を確認する.
・耐性菌の頻度が高く,死亡率も高い.
◆病態と診断
A病態
・院内肺炎の定義は,入院後48時間以降に新しく出現した肺炎である.入院時すでに感染していたものは除かれる.
・基礎疾患を有する症例,免疫能や全身状態などの宿主条件が悪い人に起こりやすく,耐性菌が原因菌になることが多い.このため,治療がきわめて困難である.
・老衰や予後不良疾患の経過で発症する例も多く,誤嚥性肺炎の病態をとることが多い.適切な抗菌薬治療を行っても,生命予後を改善するとは限らない.
・2021年に肺炎で亡くなった人は7万3,190人で,死亡者の約5.3%を占める.この比率は減少傾向にあるが,死因としての肺炎の重要性が低下しているわけではない.死亡原因で増加しているのが老衰で,15万2,024人である.ここには,誤嚥性肺炎が直接・間接的に死亡に影響を与えた症例が含まれているものと考えられている.
B診断
1.症状
・発熱,咳嗽,膿性喀痰,息切れ,胸痛など呼吸器に関連する症状が一般的である.高齢者では,食欲低下,失禁,日常の活動性低下など呼吸器症状以外の症状から肺炎の診断に至ることもある.このため,呼吸数の増加やSpO2 の低下などにも注意する.
2.肺炎の診断
・胸部X線で新しく出現したり,増大している浸潤陰影を確認する.白血球数の増加,炎症所見の上昇があれば肺炎を強く疑う.
3.細菌学的検査
・喀痰や気管内吸引痰などの気道由来検体を採取する.抗菌薬を開始する前に血液培養も同時に実施する.
◆
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