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GL成人肺炎診療ガイドライン2017/2023
治療のポイント
・介護度が高く基礎体力が低下している患者の場合,予後不良の終末期肺炎の像を呈する例も多いために,適切な抗菌薬治療が生命予後を改善するとは限らないことを念頭におき,本人や家族の意向も確認したうえで治療方針を決めていく.
・抗菌薬の選択に関しては,入退院を繰り返している症例も多く,耐性菌のリスクも念頭におく必要がある.
・早期の嚥下機能評価を含めたリハビリテーション開始が重要である.
◆病態と診断
A病態
・医療・介護関連肺炎の定義は,①長期療養型病床群もしくは介護施設に入所している,②90日以内に病院を退院した,③介護〔PS(performance status)3以上〕を必要とする高齢者,④通院にて継続的に血管内治療(透析,抗菌薬,抗癌化学療法,免疫抑制薬などによる治療)を受けている,のようなケースで発症した肺炎である.
・症状としては,発熱,咳嗽,喀痰,呼吸困難感がある.高齢者の場合には典型的な症状を示さずに食欲低下,活動性低下をきっかけに診断がつく場合もある.
B診断
・胸部聴診でcoarse cracklesを聴取し,胸部X線やCT検査で肺炎像を確認することで診断がつく.
・原因菌検索のために喀痰や吸引痰などの気道由来検体の採取,発熱患者では血液培養を採取しておくことが望ましい.
◆治療方針
誤嚥性肺炎の頻度も高く,老衰の経過での終末期肺炎の像を呈する場合も多いため,積極的な治療を行うか検討する必要がある.肺炎の治療が全身状態の改善につながらない場合もあり,患者背景を考慮したうえで本人や家族の意向もふまえて治療方針を決めていく.
積極的に治療を行う場合は,ガイドラインに準じて抗菌薬を選択する.
全身状態を評価して入院治療が必要かどうか判断する.経口摂取可能,呼吸不全なしであれば外来治療も考慮する.
入院治療の場合は
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