頻度 あまりみない
ニュートピックス
・2022年,イサブコナゾニウム点滴静注・カプセルが真菌症に対する国内での製造販売承認を取得した.肺真菌症に対する治療の選択肢が増えた.
・2022年,アスペルギルス沈降抗体検査(保険未収載)が測定試薬の終売になった.代わりにアスペルギルスIgG抗体検査(保険未収載)が可能である.
治療のポイント
・第1選択薬となる抗真菌薬は菌種,予防投薬の有無,併用薬,病型,重症度により異なる.
・ボリコナゾールはTDM(血中薬物濃度モニタリング)の実施が推奨される(外来では保険適用外).
・ローディングドーズ(負荷投与)が必要な薬剤はローディングを行う.
・イトラコナゾールカプセルでは有効な血中濃度が得られない場合があるため,できるだけ内用液を使用する.
◆病態と診断
A病態
・肺アスペルギルス症,肺クリプトコックス症,肺ムーコル症,ニューモシスチス肺炎が代表的な疾患である.
・主に,血液悪性疾患に対する化学療法や造血幹細胞移植後,臓器移植後,ステロイド使用など,免疫抑制患者に発症する.
・肺クリプトコックス症は,無症状のことも多く,健康診断で発見されることもある.免疫力が低下している場合は症状を伴い,空洞影,浸潤影などの肺病変を呈する.
B診断
・発症因子と画像検査で真菌症を疑わせる所見があり,呼吸器検体の培養や病理検査が陽性の場合は確定診断になる.
・アスペルギルス抗原,β-D-グルカン,クリプトコックス抗原,アスペルギルス抗体(保険未収載)などの血清検査で臨床診断されることも多い.
・侵襲性肺アスペルギルス症では気管支洗浄液のアスペルギルス抗原検査(保険適用外)が有用なことがある.
◆治療方針
特定の抗真菌薬に自然耐性を有する菌種がある.可能な限り喀痰検査や気管支鏡検査で菌種を同定し治療薬の選択を行う.
侵襲性肺アスペルギルス症では,臨床診断例で標的治療の開始を検討する.
予防
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