診療支援
治療

喘息・COPDオーバーラップ(ACO)
asthma and COPD overlap(ACO)
白井敏博
(静岡県立病院機構静岡県立総合病院・副院長)

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GL喘息とCOPDのオーバーラップ診断と治療の手引き2018

ニュートピックス

・改訂ガイドラインが2023年中に発刊予定.

治療のポイント

・喘息治療の基本は吸入ステロイド薬(ICS:inhaled corticosteroid),COPD治療は気管支拡張薬である.ACOでは中用量ICSと長時間作用性β2 刺激薬(LABA:long-acting β2 agonist)の配合剤,あるいはICSと長時間作用性抗コリン薬(LAMA:long-acting muscarinic antagonist)で治療を開始する.

・吸入手技・アドヒアランスの確認と増悪因子への対応を心がける.

・効果不十分なら単剤または複数の薬剤によるトリプル療法(後述)を行う.

・喘息でICS/LABA治療中であればLAMAを追加,COPDでLAMA治療中であればICS/LABAを追加,LAMA/LABAで治療中であればICSを追加する.

◆病態と診断

A病態

・喘息とCOPDのオーバーラップは,喘息の特徴とCOPDの特徴がオーバーラップする病態であり,「慢性の気流閉塞を示し,喘息COPDのそれぞれの特徴を併せもつ疾患(喘息・COPDオーバーラップ;ACO)」と定義する.

・喘息の慢性気道炎症は好酸球性炎症と好中球性炎症などの非好酸球性炎症,2型優位と非2型優位のフェノタイプに分けられる.

・COPDは気腫型と非気腫型,頻回増悪型あるいは非増悪型に分けられる.

B診断

・世界共通の診断基準はないが,本邦では「喘息とCOPDのオーバーラップ 診断と治療の手引き2018」に診断基準が掲載されている().

1)第1段階:40歳以上で呼吸器症状あるいは呼吸機能検査で1秒率70%未満を指摘され受診した場合には,鑑別を要する疾患を否定したうえで気管支拡張薬投与後の1秒率を測定する.

2)第2段階:COPDの特徴および喘息の特

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