頻度 あまりみない
治療のポイント
・閉塞性細気管支炎(BO)には確立した治療法がない.
・吸入気管支拡張薬やマクロライド少量持続投与が使用される症例もある.
・移植後のBOについては,一定の推奨治療が示されている.
◆病態と診断
A病態
・細気管支粘膜下から周辺の線維化・瘢痕化による細気管支内腔の閉塞が,肺野全体に散在性に広がることにより著明な閉塞性肺機能障害をきたし,呼吸不全をきたす疾患である.
・発症機序・病因として免疫学的機序や微小循環の虚血などの関与が推定されているが,詳細はわかっていない.
・特発性の症例はきわめてまれだが,膠原病や悪性リンパ腫を原因疾患とする症例は日常臨床でもまれに遭遇する.
・近年注目されるのが肺移植あるいは造血幹細胞移植後の発症であり,移植後の長期予後を左右する重要な合併症である.
・有毒ガス吸入(マスタードガス),ジアセチル(香料)吸入,ウイルス・マイコプラズマ感染,ペニシラミンなどの薬剤,アマメシバ(健康食品として摂取されたが現在は発売禁止)摂取などが原因となることも知られている.
B診断
・病変の分布がpatchy distributionを呈するので,外科的生検(胸腔鏡下生検)でも病理診断が難しいことが少なくない.
・胸部X線・胸部CTではほぼ正常な所見を呈することが多いが,画像に比して著明な閉塞性障害(気流制限)を呈することが特徴的である.
・呼気相で撮影したHRCT(high resolution CT)では,肺野にモザイク状のair trappingが認められることがある.
・肺血流シンチグラム・肺換気シンチグラムで同一部位の多発欠損像を認めることがあり,診断の補助となる.
・移植後では,経時的に行う肺機能検査で1秒率(FEV1/FVC)が低下し他の原因が除外される場合には,BOS(bronchiolitis obliterans syndrome)として臨床
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