頻度 情報なし
治療のポイント
・喫煙や薬剤など原因と考えられるものは中止する.
・副腎皮質ステロイドに対する反応性が良好であるが,標準的な投与方法は確立されていない.
・急性好酸球性肺炎はステロイドが著効,完全寛解し,原因が除去されていれば再発もみられない.
・慢性好酸球性肺炎はステロイドの減量や中止により再発しやすく,数か月~数年の治療と経過観察が必要である.
◆病態と診断
A病態
・好酸球性肺炎は,肺組織(肺実質・間質)への著明な好酸球浸潤を特徴とする疾患の総称である.
・急性好酸球性肺炎(AEP:acute eosinophilic pneumonia)と慢性好酸球性肺炎(CEP:chronic eosinophilic pneumonia)に大別され,発症様式のみならず,病態,臨床像・経過,予後が異なる.
B診断
・厳密な診断基準はなく,通常は気管支肺胞洗浄液にて好酸球比率が25~40%以上であることで診断されるが,同基準を満たさない場合もあり,そのときは肺生検による肺組織への好酸球浸潤により診断される.
Ⅰ.急性好酸球性肺炎(AEP)
◆病態と診断
A病態
・種々の刺激による気道上皮や血管内皮の傷害により自然免疫や獲得免疫を介して好酸球が急速に肺内に遊走,活性化し,好酸球由来のメディエーターにより血管透過性が亢進し,間質性浮腫を起こすことが主病態と考えられている.
B診断
・20~30歳前後,男性に多く,急性経過(多くは1週間以内)で発熱,咳嗽,呼吸困難が発症し,急性呼吸不全を呈することも少なくない.
・わが国では喫煙による報告が多く,喫煙開始後または禁煙後喫煙再開1か月以内の発症が多い.喫煙以外では粉塵や金属,殺虫剤などの吸入物質,内服薬などの報告がある.
・胸部X線でびまん性すりガラス影や浸潤影,Kerley B line,胸部CTで小葉間隔壁の肥厚を伴うびまん性すりガラス影・浸潤影を認め,胸水
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