頻度 あまりみない
治療のポイント
・抗原回避が最も重要である.
・さまざまな環境抗原の吸入により呼吸器症状が生じる疾患であり,診断後は生活環境を改善するための生活指導が必要である.
◆病態と診断
A病態
・主な病態は,外因性抗原の反復吸入による感作の成立後に,同一抗原を再吸入して肺胞隔壁や細気管支に生じるアレルギー性炎症(Ⅲ型・Ⅳ型アレルギーが関与)である.臨床経過から急性・慢性に分類される.
・急性型は,抗原曝露後の数時間で咳嗽,呼吸困難,発熱などが生じ,抗原回避により症状が軽快する.トリコスポロンなどの真菌による夏型過敏性肺炎が多い.
・慢性型は,炎症の持続により線維化が生じ呼吸困難が進行する.鳥関連過敏性肺炎が多い.
B診断
・詳細な病歴聴取を行い,本疾患を疑うことが重要である.特に農夫肺や塗装工肺など,症状と関連性のある職業,居住環境,ペット,変調をきたした時期などの日常生活全般にわたる問診が必須である.
・症状・病歴・血清免疫学的所見などから推定抗原の評価を行い,画像・気管支肺胞洗浄液・病理組織所見を参考に,総合的に診断する.
・急性型は,入院などによる抗原回避で症状が軽快することがある.特定の抗原を疑う場合は,試験的な環境曝露(一時帰宅,監視下での抗原吸入など)による症状・炎症反応・酸素飽和度・胸部画像所見の変化などの観察を行い,総合的に診断する.
・免疫血清学的検査の抗トリコスポロン・アサヒ抗体,鳥特異的IgG抗体は保険適用あり.
◆治療方針
抗原が特定できた場合は,可能な限り抗原回避ができるように住居や作業環境を整えることが必須である.
1.急性型の薬物治療
a.中等症および抗原回避が困難な例
Px処方例
プレドニゾロン(プレドニン薬)錠(5mg) 1日6~8錠(体重0.5mg/kgを目安)を1日1回 朝食後もしくは1日2回 朝・昼食後で内服し,4週間程度で漸減・中止
b.重症例
Px処方例
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